まだ映画史

映画の宝物 シネマヨーロッパ [DVD]

映画の宝物 シネマヨーロッパ [DVD]

20世紀のヨーロッパ映画史。北欧、ドイツを終え、ようやくフランスとイギリスを見終える。最終章のトーキーまでしっかり見ておきたいのだが、いろいろと邪魔が入ってそうそう進まない。
しかし、この順番で見ていくと、たとえばフランス映画のスペクタクルへの要求(それこそパジェントのような)と『國民の創生 [DVD]』の関係であるとか、「映画のエクストラになる経験」だとか、色々と気になり始めてしまう。感覚的には実は「映画のエクストラになる経験」と「パジェントに参加する経験」は非常に近いのではないか、と思うんだけれど、このあたり、突っ込むべきか否か。突っ込むとしたらどのように?
フランス映画のあまりにもあからさまなナショナリズムに愕然とし、『裁かるゝジャンヌ [DVD]』と同時期のジャンヌダルクスペクタクルの対比に愕然とする。
裁かるゝジャンヌ クリティカル・エディション [DVD]
いやあ、『裁かるゝジャンヌ [DVD]』がこういう意味をもったすごい作品だと言うことには学部生のころは全然気づいていなかった。やはり文脈を知っておくことは大切だなあ。
この順番で見ていくとイギリス章の頭に出てくるヒッチコックの映像の「ドイツ臭さ」に愕然とする。なるほど。「イギリス映画はひどいものだった」というナラティブなので、それはそれでよいのかもしれないが・・・アントニー・アスクウィス(Anthony Asquith) にかなり時間が割かれていたのが意外な印象。彼の映画は第二次大戦中のベタなプロパガンダフィルムしか見たことがなかったので、初期の実験的な(?)作品を見てかなり驚いた。いや、あのような「実験的な」アプローチを取る人間が、あのような「ベタな」作品を撮るというのが、なんというか。

最終章トーキーは、いつ終えられることやら。