ayoshino2010-03-20

ずっと見たかった『シャーロック・ホームズ』を見てくる。まだ見たことのない方もいらっしゃるだろうから、後は閉じておくけれど、賛否両論だった割には楽しめる映画になっていると思う。エンターティメントの王道。台詞回しも良い感じで、字幕には訳しきれないところも耳をすませば楽しめる。微妙にスチームパンクが入ったような画もいい感じ。

ただ、確かにこれは、嫌いな方は嫌いだろう。
ホームズの人物造形が圧倒的に斬新だからだ。とにかく、可愛くて、セクシーなホームズ。で、セクシーはともかくとしてホームズがカワイイって…正統派ではないわね(笑)

まあ、もともとかなり「をい?大丈夫?」な人物造形ではあるんだけれど、危ない描写は徹底的に増幅させている。がんがん薬物乱用はするわ、室内で銃はぶっ放すわ・・・このあたりはもちろん原作にあるのだけれど、これが可愛らしく表現されているわけだ。
原作にない要素がワトソンとの関係性。ワトソンの存在感がかつての5倍(当社比)ぐらいの感じ。
原作ではホームズの冒険を語るための装置としての意味が第一義的なワトソンが、圧倒的に存在感のあるキャラクターとして作り直されており、天才的な頭脳を持ちながらも人間としての安定性の悪いホームズが思いっきり相棒に頼っているという設定に。
ホームズがしばしば持たされてしまう(原作では必ずしもそういうイメージが強いとは思わないんだけど)活動的で頭のキレるジェントルマン要素をワトソンがうまーく担っている。かつてのホームズを2要素に分けて、ちょっと不安定要素をこちらのホームズに入れました。という感じ。

つまり、この映画のホームズは「きょとんとした子犬のような」ホームズであって、(まったくもってロンドンの一介の警官にからかわれてしまうホームズを見る日が来るとは思わなかった)それが成功しているのがこの映画の面白いところかと。

ちなみに、登場人物のひとり、アイリーン。アクセントがどう考えてもイングランドではない。アメリカかな?かすかにアイルランドかな?と夫と首をかしげたけれど、特定はできなかった。どういう設定になっているのかちょっと気になる。

あとはid:nosem さんのおかげで、モリアーティ教授が「教授!」と呼ばれる度に脳内に(任期付)が添えられて、他の誰も、うけていないのにひとりでくすくす笑いたくなる。おかげで映画が1割増しぐらい楽しかったかも。
すでに続編が出ることが決まっているらしく、これ、おそらく同人活動が盛んになるのではないかという予感。