免許更新

運転免許を更新。とって以来殆ど運転していないのでもちろん「優良ドライバー」である。なんかむなしい。
行きがけにふと書店で『天才柳沢教授の生活 27巻』を発見。思わず手に取る。で、優良講習の待ち時間で読む。学生の頃から続いているので、「ずいぶん長いこと続いているなあ」と感慨にふけりながら。
天才 柳沢教授の生活(27) (モーニング KC)
自分が大学で働いているせいか、今になると柳沢教授の生活はうらやましい限りである。思わず、柳沢先生がなさっていらっしゃらない仕事、あまりなさらない仕事をリストアップしてしまいたくなる。
ここ5年くらい読んでいないのでひょっとしたら、もっと最近の巻ではやっているのかもしれないけれどね。

柳沢先生の(あまり)なさらないこと。

  1. 柳沢先生は論文を書かない。若い日に必死で論文を書いている回想シーンはしょっちゅう出てくるのだけれど、こう、今、締め切りに追われている、というシーンは全く記憶にない。
  2. 柳沢先生は出版社と打ち合わせをしない。あまり本を書いていらっしゃる気配はない。
  3. 柳沢先生は読んだ本や論文のノートをとらない。本はいつも読んでいるのだけれど、あまりノートをとっていらっしゃる様子がないのが、やはり「天才柳沢教授」の天才たる所以か。ちなみに、凡人かつ駆け出しペーペー大学教員の吉野は、本を読んでノートもとらずに論文を書くような恐ろしいことは、想像できない。ていうか、無理やりやったと仮定してもその結果を想像しただけで背中に冷や汗がじわりとわいてくる。こういう小心者は天才教授にはなれないということか。
  4. 柳沢先生は、学会事務に携わらない。いや、年齢と言い、御立場といい、そろそろ上のほうの役をなさっても良いのでは・・・・?
  5. 柳沢先生は教授会に出ない。教員食堂と思しきところでなぜか異分野の先生とオハナシをなさっていらしたりする割には、教授会のシーンは殆どない。
  6. 柳沢先生は学会発表や講演をなさらない。講演を頼まれないのか、前述の論文を書かないことと連携しているのか、なぜか学会発表をなさらない柳沢教授である。ということで学会発表のための海外出張で、時差ぼけに陥り、いつもの睡眠パターンがずれることもない。
  7. 柳沢先生は科研費に応募なさらない。だから当然付随する予算管理や書類作成からもフリーだ。
  8. 柳沢先生は、学生のテストやレポートの採点に追われない。卒論にダメだしをなさったりはしているのだけれど、学期末に200以上のレポートや答案を抱えて、「ふう」と、タメイキをついたりはなさらない。きっと、スマートにこなしていらっしゃるのだろう。天才だからね。
  9. 柳沢先生は大学院生を指導しない。もちろん、「この学生の進路を考えなくては・・・」などと頭を悩ませていらっしゃることもない。
  10. 柳沢先生はあまり雑務をなさらない。海外の提携校と交渉したり、あちらこちらの高校にお邪魔して自分の大学の説明をなさったり、オープンキャンパスで学部の説明をしたり、その他いろいろ委員を引き受けたり、という気配がほぼない。

まだまだ、他にも柳沢教授がなさらない、だけれども、一般教員が毎日かなり時間を割かなくてはならない仕事は多いはず。
とにかく、柳沢教授は優雅だ。あまりにも優雅すぎて大学教員の実態とはかけ離れているような気がするんだけれど、きっとこれが一般的な大学教員のイメージなのかも。ていうか、親戚と話していると「好きなだけ本が読めて、好きなことできていいね」とか言われちゃうしね。そんなわけで、読みながら、ちょっとタメイキ。