英語での講義中に「それで、『共産党宣言』の最後の一文は何ですか〜?」と聞いたら沈黙が帰ってきたのでびっくりする。ひょっとして読んでいないの?!と、本気で驚いたら、学生さんに受けた。いや、ウケ狙いじゃないんですよ。
あれだけ短くて「古典を読んだ」感のある本も珍しいと思うんだけれどなあ。
びっくりしたのは、一クラスに一人もいなかった、という事実。結構小ぢんまりとしたクラスだし、発言も割りと出ているから、「読んだけど恥ずかしくて言えなかった」っていうんじゃないと思うけれど。英語がネックだったのかしら。"means of production"だとか、知っておいてよいと思うんだけれど。フレーズとして。

やはり、岩波文庫を読みなさい的な「お勉強」姿勢も必要なんだなと妙に感心した。同時に教師の仕事は「もちろん、そのくらいは読んでいるよね?」と相手を子ども扱いしないで話すことなのかも、とも。そういえば、私も大学の2年目くらいに「ソシュールの『一般言語学講義』を読んだことのある人?もちろん一人ぐらいいるよね?」と聞かれて、手を挙げたら「じゃあ、内容かいつまんで説明して?」と言われて立ち往生したものね。