Procrastination

この週末までに一つプレゼンの準備をしなくてはならなかったのだけれど、なぜか、それが全く手につかず、実はかなり苦しんでいた。いや、他にも論文と書評の締め切りもあるし、添削もあるし、教科書原稿にも申し訳ないようなミスを見つけてしまったので、それも直さなくてはならないしで、やることは一杯あったし、実際に忙しかったのだけれど、とにかく、仕事は一つ一つ片付けていくしかないし、その中で「重要」で「緊急度高し」の案件に居座られると、本当、参ってしまう。
自分がprocrastinateしている、ということは、重々承知の上で、随分前に買って読んでいなかったライティング系の本を手に取ったら、しょっぱなからどうやってprocrastinationと戦うか、という本だったので笑ってしまう。

Writing on Both Sides of the Brain: Breakthrough Techniques for People Who Write

Writing on Both Sides of the Brain: Breakthrough Techniques for People Who Write

メタファーであるとか挿話がうざったい。(というのは特殊な心理状態で読んでいるからだろう)ばしばし流し読み、飛ばし読みをする。一番可笑しかったのは「内的批判者」との面談のくだり。
もう、全く何も手につかず、フリーライティングさえも手につかなくなった場合、自分の内部にある批判的な声との面談(?)筆談(?)を思い切ってセットアップしてしまおう、という提案だ。ばかばかしいと思いつつ、あまりにもプレゼン原稿の支度が進まないのでやってみたら、なんと。気分が軽くなってすんなり筆が乗るじゃないですか。しかも、後で読み返したら、なんか妙に可笑しいやり取りだったので、公開しちゃおう。

ME:Who are you and why are you making me feel like this?
IC:Asking two questions at the start of an interview and you call yourself a researcher! No wonder you are a complete failure.
ME:Well. OK. I take your point but your argument is insufficiently warranted as well. So let us start again. Who are you?
IC: I am your memory of past mistakes and failures. I am here to make you learn so that you will never make the same mistake twice, though you are often stupid enough to do that.

ICが"Inner Critic"。何で英語で会話をしているかというとプレゼンが英語だったから。
「ばかばかしい」と思いながらはじめた割には、これは実はかなり奇妙な経験で、自分が思ってもいないようなことを、ペンがさらさら紙に書いたりする。
しかし、これが今回有効だった理由はわかっていて、「不安」であるとか、「批判的な声」に、一応の居場所を与え(内的批判者)、なおかつ「私」から切り離し(面談するだけでYouとMeに分かれるわけだ)とりあえず、文章を書くスペースを心理的に作り出すことができるからだな。30分ほどの面談だったのだけれど、ものすごい量を書いた。なるほど、これだけ不安だとか批判を抱えて仕事をしようとしてもスピードが出ないのは当然だ。

ME:Oh, SHUT UP, VIV!
IC:Viv?
ME:I decided to call you Viv. You are Vivid memory of past mistakes.That's your name now. Now, Viv, I really need to work. Can you leave me alone for the next 3hours?

これで、恐ろしいほど、次の3時間は静かにしてくれていたので、Vivありがとう!っていう感じ。というか、「終わったらゆっくり話し聞いてあげるから」と約束した割にはフォローアップ面談していなかったことに今気づいた(笑)

Ann Klauserの本は非常にポピュラーなHow to本の趣で、半分カウンセリング臭いところが特徴か。例えば、下の本は「書く」ことでトラウマと向き合った人の話が延々と続いている。私は実は英語のダイエット体験記を読むのが非常に好きなのだけれど、それに非常に似た感覚。こうある種予定調和的なナラティブを消費しているわけね。

With Pen In Hand: The Healing Power Of Writing

With Pen In Hand: The Healing Power Of Writing

下の本をぱらぱらしていたら、実は日本語版を随分昔に読んだことがあったことに気づく。なるほど、コノヒトだったのか・・・・ちなみに記憶が正しければ、願い事を紙に書いて燃やすみたいな、あたかもMy Birthdayのルネ・ヴァンダール・ワタナベ先生が言っていそうなおまじないチックな提案があったかと・・・・
Write It Down Make It Happen

Write It Down Make It Happen


フリーライティングはやはり、Peter Elbowが最初に提案したのではないかと思う。同じアプローチを使っているKlauserがちょっと神がかっていたので、次のライティング本はもうちょっとしっかり系を読もう、と決定。

Writing With Power: Techniques for Mastering the Writing Process

Writing With Power: Techniques for Mastering the Writing Process

Writing Alone and With Others

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