Oral Historyのサマリーをあさる。特にパジェント関連のものを探そうとざっと目を通したのだが、見つからず。しかし、magic lanternをみて感動した、だとか、Mary Stopesのクリニックへ行っただとか*1、なんというか、色々と「聞いてみたら楽しいだろうなあ」というものには出会う。時間がないから聞きませんが。
こうして19世紀末から20世紀頭に生まれた人々の人生をざくざくたどっていくと時々泣きたくなる。「両親、ポーランドで生まれた。/ユダヤ教の行事/ブラッドフォードのユダヤ人コミュニティ/第二次大戦」だとか、なんていうんだろう、こういうざくざく並べられたキーワードから自然と浮かび上がってくる人間の姿があって、その存在感たるや。昔ウィンチェスターで、スープキッチンの話だとか、聞いていたときも泣きたくなったんだよなあ。
ブラッドフォードは移民コミュニティのオーラルヒストリーも80年代からきちんと集めていて、それも面白い。今目を通しているのは20世紀初頭ぐらいの白人の労働者階級の経験だけれど、こうやって必死で生きてきた人々と、同じく必死で生きていた移民コミュニティとの間で80年代には色々な軋轢が生まれる。

あと、やたら女性のオーラルヒストリーに「読唇術を学んだ」という項目があって、「何だろう?」と思っていたのだけれど、今日になってようやくカチッとジグソーのピースが頭の中ではまる(←遅い)。大音量の工場で仕事をしていたから、それが唯一のコミュニケーションの手段だったわけだ。

*1:Marie Stopesなんだけど、そうタイプされてあるのよ。