児童文学やファンタジーなど

産休に入ったのだけれど、色々とやらなければならないことはあって思ったように腰を落ち着けて本が読めない!とはいうものの、来年度ゼミに入る学生さんたちにファンタジーや児童文学に興味を持っている人が多いということで、ちょっとばかりその系統の書籍を時間を見つけて読み始める。ゼミ論の最初の取り掛かりによさそうな二冊。

英米児童文学ガイド―作品と理論

英米児童文学ガイド―作品と理論

こちらは理論的なものをふまえていてよさそう。
はじめて学ぶ英米児童文学史 (シリーズ・はじめて学ぶ文学史)

はじめて学ぶ英米児童文学史 (シリーズ・はじめて学ぶ文学史)

実はあまり日本には紹介されていない気のするオーストラリアやニュージーランドの作品群が入っていたのが面白い。特に時代背景を載せてくれているのはとてもありがたい。もちろんここにのっている時代背景ではレポートを書くには足りないのだが、ある程度めぼしをつけてからレポートの構成を考えるには非常によいスタートラインではないかと。

ファンタジーと歴史的危機―英国児童文学の黄金時代

ファンタジーと歴史的危機―英国児童文学の黄金時代

こちらはガイドブックではなくて研究書。研究論文の形を見ていく上ではこれも学生さんにお勧めしてよいかも。ファンタジーが流行した1860年代、1900年代、1950年代を「歴史的危機」の時代と位置づけ、歴史的背景とファンタジーとの絡み合いを読み解いていく。

幼い子の文学 (中公新書 (563))

幼い子の文学 (中公新書 (563))

指輪物語』の訳者による講演録。面白かったのは児童文学の発展におけるBBCの役割を指摘していたところ。(p.195-) 1950年に始まった"Listen with Mother"を取り上げている。今でもCBBiesだとか、BBCは子供向け物語の発表の一つの場ではあるよなあ。