英語のこと

id:saebouさんのエントリがとても腑に落ちたので。

 …しかしながら私がロンドンに来て英語学習について一番大事だなと思ったのは、言語学習にはまず絶望するのが大事なんじゃないかってことである。英語で言いたいことをわかってもらえないというのは英語を第一言語にしない人の大きな悩みだと思うのだが、それを悩む前に、では第一言語では自分は自分の言いたいことを他人に完全にわかってもらえていたのかということを考えてみると、どうも私は日本にいたときからたいていのことはわかってもらえていなかったし、他人の言いたいこともほとんどわからなかったのだ、ということに気がついた。私は日本語ではよく話すほうだが、それでもしょっちゅう誤解されるし(というか書記人格のほうが音声人格より攻撃的なので書記人格がちょっとヤバい)、日本語で口数の少ない人と話していて何を言いたいのかさっぱりわからんことがよくある。言葉を話すというのは誤解を生むことなので、第一言語だろうが第二言語だろうが自分の言いたいことがわかってもらえないという点ではそう大差ない。

 それで、よく観察していると、英語を第一言語としている話者同士が話している時も、別にネイティヴスピーカーたちは相手の言っていることを全部聞いて理解しているわけじゃないらしいことがわかってきた。機能語のたぐいはあまり聞き取ってないみたいだし、相手の言うことおかまいなしに独りよがりな話をするヤツや、間違ってヘンなことを言う人もたくさんいる。すんごい失礼なことを自分では失礼でないつもりで言って相手を激怒させる人もたくさんいる。さらに言うと、ジョージ・ブッシュみたいに間違うために話しているような人でも結構友達に好かれて暮らしている。

[中略]

 と、いうことで、第二言語で自分の言いたいことがわかってもらえず苦しいという人は、自分は第一言語でも本当に理解されていたのかについてちょっと考えてみるといいんじゃないかと思う。
http://d.hatena.ne.jp/saebou/20100329/

ただし、やはり普段使える小技が使えないのはストレスがたまるし、というか、第二言語でのみ使える小技が発達していくとそのうちに英語人格と日本語人格が微妙にずれている感覚まで生まれてきたりするのでつくづく言語ってコワイ。

あ、あと。なんだ。「分かる人だけ分かってくれればいいよ!」みたいな開き直りの言葉並べのような遊びが突然レベルが下がるので気分が落ち込む、とか?コミュニケーションという意味では本当にそのとおりなんだけれど、微妙に自分との関わりが変わるので、結構言語の習得ってあるレベルに行くとメンタルに面白い(人によってはしんどい)経験かも。