近代読者の成立 (岩波現代文庫―文芸)

近代読者の成立 (岩波現代文庫―文芸)


恥ずかしながら今更読む。しかし、引用されている日本文の読解に困惑する。たかだか100年ほど前の話なのに、日本語よりも、同時期の英語を読むほうがずっと楽だとは何事だろうか。過去はまさしく「外国」である。(しかし、この引用元になった小説は、ここ3年くらい本棚に飾ってある状態。早く読まなくちゃ)

アリスン・ライトの新刊、ハーマイオニ・リーが絶賛している書評がガーディアンに載っていた。やはり、買って読もうと、図書館までの道で書店に寄ってみたのだが(当然といえば当然なのかもしれないけれど)置いていなかった。大学の学部生の頃から、博士号をとるまで、住んでいる町、あるいは時間を多く過ごす町の図書館に学術書が置いていない、という事態がなかったことがないので、ちょっとびっくりする。なるほど、大学町に住むことには大きなメリットがあるのだな。ブラッドフォードにも大学があるのだが、ケンブリッジや早稲田のように、周囲に書店が乱立しているかんじはないのだった。

National Media Museumでエドワード朝時代のカラー写真展がやっており、休み時間に覗く。ロスチャイルド家の息子ライオネルが凝っていたとかで、かなりの展示がロスチャイルドアーカイブから来ていた。あのくらいの時代のカラー映像の鮮やかさにびっくりする。その後、博物館のみやげ物店を覗いたら、カメラ・オブスキュラだの、ゾーエトロープだのが子供向けにパッケージしなおされておいてあって、食指が大いに動く。来年あたり視覚文化の授業で使いたいような気分になる。が、スーツケースのスペースには限りがあるので、何はともあれ、リサーチが優先。


しかし、イギリス。寒い。
フリースを着ているのにがたがた震える。