添削

添削は、楽しい。色々な人の意見も読めるし、どんどん文章がすっきり書けるようになっていくところもよくわかる。
しかし、時間はかかる。
泣きたくなるほどかかる。

たとえば120人の学生を見ているとして、一人5分かけてコメントを書いたり整理したり、記録をつけたりすると、平気で10時間が、スッポーン!と消え去る。これは、大昔、ドラクエにはじめてはまったときの感覚に近い。ていうか、人によっては5分じゃすまないし(笑)

本当はもっと詳細にコメントをつけたいのだけれど、色々他にもやらなければならない仕事もあるしで、結構よくできている人の文章は、コメントがどうしても減ってしまう。これが、毎週だから、やはり色々考えて予定をくまないといけない。楽しいからといって、時間をかけていると、他の書類がどんどんたまっていく(笑)わはは。
別に添削をしろと誰に言われたわけでもないけれど、文章は、フィードバックをもらわないとどうしても上達しないし、となると、やはり添削は要だしなあ。

本当は大学は、どの学生も週に一コマか二コマ非常に人数の少ない、教員が目の行き届いた添削のできるくらいのサイズのクラスで学べるといいんだろうなあ、と、時々思う。つまり、60人クラスの授業を10コマとるよりも、10人クラスのセミナーが二コマで、残りは大教室の講義、みたいなものにすると良いのだろうと。90年代には悪評高かった大教室での講義だって、少人数との指導と組み合わせれば成果は出るはずなんだが。つまり、自分の学びを責任もって導いてくれる人がいない、というのが学ぶ側にとってはつらいはずで、大学院の、教育機関として優れたところは(機能していればだけれど)そのあたりの弱点が克服されているところだろうと思う。
しかし、こういう方式(そう、ケンブリッジや、オックスフォードに近い方式)をとると、コースそのものの柔軟性は減るから、それはそれで日本の大学としては、問題があるわけだ。単位制であり、興味の持てる科目を取れるというのは、やはり大きなメリットだし。ああ、あとは教室のようなハードの問題もあるか。

しかし、自分が絶対読まないような分野の話を学生さんの課題で読むので今やっている仕事は面白い。