The League of Nations, Public Ritual and National Identity in Britain

Helen McCarthy, 'The League of Nations, Public Ritual and National Identity in Britain, c.1919-56' History Workshop journal, 70. (2010) 109-132.

帝国でもなければ小さな英国だけでもない、国際社会の中のイギリス、というアイデンティティの表出をLeague of Nations 運動の催しから読み解いて行くという論文。この時期の催し物には帝国を超えた外部への視線が見られるとしている。インターナショナリズムの高まりをいわゆるpublic ritualから読み解く、という試み。展覧会やパジェント、行進といったpublic ritualはしばしばナショナリズム帝国主義から読み解かれてきたわけだけれど、確かにインターナショナリズムとの関わりは手薄であったかもしれない。
細部で面白かったのは、この時期の催しでジャンヌ・ダルクがしばしばフランスを代表するアイコンとして使われていると言う指摘。それからヴァージニア・ウルフの『幕間』におけるパジェントは単純なパジェントではなくLeague of Nationsパジェントだという指摘。